ユーロ/円相場は、123.50~127.50円のレンジで揉み合う展開に。2月7日の欧州中央銀行(ECB)理事会後にユーロが一時的に急落する場面も見られたが、大きな値動きには発展していない。ドル/円相場は新高値を更新しており、つれてユーロ/円相場も改めて地合を引き締めており、ユーロ相場のピークアウトは先送りされている。
ECB理事会であるが、政策金利は過去最低の0.75%で据え置かれ、特に追加緩和策の導入などは見送られている。ただ、ドラギ総裁がユーロ高が物価安定へのリスクに関する中銀判断に影響を及ぼす可能性などに言及したことで、マーケットでは事実上の口先介入と評価され、ユーロ高是正の動きが活発化していた。特に、フランスのオランド大統領がユーロ相場を誘導するための行動を呼び掛ける中、過熱気味だったユーロ高が政策的に修正されるリスクが警戒された。もっとも、11日にはドイツ連邦銀行のバイトマン総裁がユーロ相場が過大評価されているとの見方を否定するなど、ユーロ高是正の動きは盛り上がりを欠いており、本格的なユーロ安トレンドを形成するような動きは実現していない。逆に、ユーロ高に適度の調整をもたらした形になっている。
14日には日本銀行・金融政策決定会合が控えているが、今会合では追加緩和策の導入は見送られる公算が大きい。このため、イベントリスクとしては注意が必要だが、時期日銀総裁人事を巡る議論が活発化していること、15~16日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で海外からの円安批判が高まる可能性が低いことなどを考慮すれば、円安圧力が本格的に後退するリスクは限定的だろう。このまま欧州債務問題の蒸し返しが本格化しないことが前提条件になるが、 123.50~127.50円のレンジ上限を改めて試す展開を想定したい。
今後1週間の予想レンジは、125.25~128.00円。